atelier SUETOMO
午前、午後とも教室。
それぞれのことをそれぞれのペースで。
11月から入られたNさんは、とても丁寧な仕事を心がけるキッチリさん。
お教えするこちらも、身の引き締まる思いです。

帰宅後、体調を崩されてお休みされているKさんより電話をいただきました。退院され、順調に回復のご様子。年越しをご自宅で出来るようで本当によかった。ゆっくり療養され、また教室でお会いできることを楽しみにしたいと思います。

私が毎日放送に入社した時の直属の上司、当時、美術部長だったTさんの訃報。
テレビ美術、舞台美術のイロハをこの方に教わりました。テレビ、舞台美術業界では西のTと言われた有名なかたです。現代的でオシャレなセットから、昔の時代を切り取ったような忠実な時代考証のドラマセットなど、定年されるまでに私が教われたことは、そんな膨大な知識の中のほんの一部だったように思います。面と向かって誉められたのは一回だけだったような。

文字通りの独身貴族。とにかくオシャレで、グッチで完全オーダーのカバンを作られたり、洋服は、生地屋さんを会社に呼んでオーダーなんてことも。アザラシの毛皮のコートに、エナメルの靴(見た目は、かなり893ぽかった・笑)を履いておられたこともあったナ…。紳士で、ちょっと怖くて、優しくて、絶対揺るがない、部長というより「ボス」でした。
私は「お嬢」と呼ばれ、とても可愛がっていただきました。
仕事に行き詰まっていると、「お嬢、ちょっと行こか」と晩ご飯に連れて行っていただいたことも数知れず。説教するでもなく、話を聞き出そうとするでもなく、雑談と、ただただ美味しいものを食べさせてもらって元気をもらって仕事に戻りました。「百年の孤独」という焼酎がお好きで…。

Tさんが定年退職後、私も会社を退職して、年賀状くらいのやりとりでしたが、2003年の作品展の時にお越し下さり、「また飯でも行こう」と。
それは実現することなく、お会いした最後になりました。

不思議とまだ、悲しみがこみ上げて来ません。楽しかった思い出ばかりがよみがえり、思わず微笑んでしまいます。
きっと全力で人生を楽しみ、仕事をされていたお姿ばかりを見ていたからだと思っています。
ご冥福をお祈りします。

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