atelier SUETOMO
ステンドグラスの既成概念

ステンドグラスと聞いて、ほとんどの人が 「カラフルな色使いの、花や虫をモチーフとしたランプ」 をイメージされるのではないでしょうか。もしくは、教会などのキリスト教色の強いパネルを想像されることでしょう。

ランプなどは、 「ティファニー(※)が大きく 1 ジャンルを築いているので、ステンドグラス=ティファニーと思われている方も多いと聞きます。一種、独自のもので、好みも激しく別れます。現に、私もステンドグラスを始めたての頃は、一つの作品の中に様々な色を入れた、カラフルなものを作っていました。そういうものだという既成概念があったのかもしれません。

時が経つにつれ、デザイン、色味ともに削ぎ落とされ、今現在のモノトーン(単一色調)スタイルがあります。何のジャンルでもそうですが、ものづくりの表現方法に於いて、「こうでなければならない」 というものは、ないように思います。

「ステンドグラスを作ってます」 というだけで、すぐ、上述したようなものを作っていると想像されてしまうのは、仕方のないこととは言え、非常に残念なことでもあります。むろん、ティファニーを否定しているのでは決してありません。一時代を築いた超一流品であることに間違いはなく、美しく制作するには、かなり高度な技術が必要となります。ステンドグラスをする人は、好き嫌いにかかわらず、一つは作ってみる価値のあるものでしょう。

このサイトをきっかけに 「こんなステンドグラスもあるのだな…」 と、概念を広げていただければ幸いです。

※ルイス・C・ティファニー
19世紀、アールヌーボーの時代にガラス作品で一時代を築いた人物。
宝飾品で有名なティファニーの息子。

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